mariposa monarca

オオカバマダラという蝶をご存知ですか?
スペイン語ではmariposa monarca(マリポサ・モナルカ、帝王蝶の意)といいます。
オオカバマダラは、「渡り蝶」として有名です。
秋になると、カナダとアメリカ合衆国の国境(ロッキー山脈の東西に分布)あたりから、カリフォルニア、またはメキシコのミチョアカン州へと大移動を行います。
距離にすると、片道3800km以上。
そして、春になるとまた、もとの住処にもどるべく北上するのです。
長年、この蝶の越冬先は謎でしたが、ある研究者が蝶の渡りを追いかけ追いかけ、ついにミチョアカン州の森を突き止めました。
青い空を舞う蝶の大群。
蝶が身を休める木々は、何万という蝶の重さに耐え切れずにしなるそうです。
↓オオカバマダラのオス。羽の中央下部にある黒い斑点が特徴。
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その光景、是非見たい!!
ということで、行ってきました。
モレーリアから蝶の保護区まで、観光ツアーが出ています。
ガイドさんが同行してくれて、昼食付で400ペソ(約4000円)。
朝8時半に集合場所に行くと、私(ひとりで参加)ともう一組がいました。
アメリカで生まれたメキシコ人の姉弟と、モレーリアに住む彼らのおばあさんと伯母さんです。
まもなくワゴン車が到着。
彼ら4人と私、ガイドさんと運転手の計7人の小旅行が始まりました。
蝶の保護区ロサリオまでは、片道3時間です。
道中も、通り過ぎて行く町の説明をガイドさんがしてくれました。
小さな田舎町を通りぬけ、葦で作った手作りのかごを売る店々を横目に見、山を越え、大きな湖に目を奪われ、飽きることのない道中でした。

ロサリオに着きました。
蝶の住む山のふもとに車を停め、徒歩で群生地を目指します。
車を降りると、もうそこは蝶の聖地でした。
山の上からふもとに降りてくる蝶の群れ。
私たちにぶつかりそうなくらい、低いところを飛んでいる蝶もたくさん。
こんなにたくさんの蝶をみたことがありません。
↓小さくてわかりづらいかも。拡大してご覧下さい。
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蝶の群生地までは、徒歩で約40分です。
はっきりと覚えてないのですが、ここは高度2000mだか3000mだかの高地で、坂道を登り続けるのはかなりキツかったです。
舗装されていない道は砂埃が舞い、靴もGパンも真っ白になってしまいました。
しかし、何万という蝶が群がる光景を見てみたいと思い、がんばって登ったのですが・・
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群生地です。
蝶はどこ・・・?!と思っていると、ガイドさんが教えてくれました。
「あの、葉っぱのような、灰色の部分が蝶だよ」と。
群生地の真上には大きな雲が横たわっていて、全く光が差してきません。
蝶たちは、太陽の差す温かい時にだけ羽を広げ、森の中を飛び回るそうです。
陽を受けた蝶のオレンジ色の羽は、光り輝き、それはそれは美しいそうですが・・・。
この日は寒く、蝶たちは羽をたたみこんでお休み中。
彼らがとまるのは、松の木の一種です。
ああ~せっかくここまで登ってきたのに!!

ここロサリオには、1億5千羽の蝶がいるそうです。
オオカバマダラの移動については、まだまだ研究中とのこと。
ある研究者が、蝶を追いかけてこの森にたどり着きましたが、地元の人々は毎年ここに蝶がやってくることを知っていました。
死者の日(日本のお盆のような日)を祝う11月の始め頃に訪れる蝶を、地元の人達は、「先祖の魂が帰ってきた」と言っていました。
蝶たちはここで、3月まで暮らします。
その間卵を産み、仲間を増やして、また元の住処へと大移動をします。
なぜ蝶たちがこの森を選んだのかは、今でも謎です。
理由としては、ここは温暖湿潤で、水源があり、幼虫のえさであるトウワタ(スペイン語でalgodoncillo・アルゴドンシージョ)が豊富にあることだろうと言われています。
↓かわいい花をつけるトウワタ
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このトウワタは、オオカバマダラにとって重要です。
なぜなら、幼虫がトウワタを食べることで、トウワタの持つ毒性が幼虫から成虫まで蓄積され、鳥たちに狙われなくなるからです。
この毒はとても強く、鳥たちはオオカバマダラを食べても、すぐに吐き出してしまうそうです。
オオカバマダラの美しい模様は、毒を持っているというアピールでもあります。

群生地では、蝶の舞う姿を見ることができませんでした。
がっかりしながら山を降りていくと、山の下の方は陽が差してポカポカと温かい気候。
どうして、山の上は曇りなんだーーー!と嘆いていると、頭上を蝶たちが通り過ぎて行きました。
一番の見所は見られなかったけど、それでも、初めて見る蝶の群れは美しかったです。
森林伐採や環境の変化などで、数が減っているというオオカバマダラ。
この森と、蝶たちが、いつまでも美しいままであるといいなと思いました。
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by mangorico2 | 2005-12-21 18:17 | メキシコの旅
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