セロカウイ村から、渓谷を見渡せる展望台まで行くツアーが出ています。
ガイドのRaul(ラウル)さんと、朝の8時から出発! 前日、泊まっているホテルのおじさんが私に、 「渓谷を案内するよ。朝食付で700ペソ、どう?」 と言いました。 「高っ!!」と思ったので、アメリカ人観光客でいっぱいのホテルでもツアーをやっていないかと思い、聞きにいきました。 すると、こちらは15人くらいのグループになりますが、ひとり300ペソとのこと。 それに申し込もうかなあと思っていると、『ガイドします』という看板を見つけたのでそこでも聞いてみました。 すると、「プライベートガイドなら、400ペソだよ」と言われました。 それで、400ペソで個人ガイドしてくれるならそのほうがいいなあと思い、彼、ラウルさんにお願いしたのです。 車は土ぼこりをあげながら、山道を登っていきます。 20~30分ほど走ると、私が滞在しているセロカウイ村を見渡せるところにきました。 さらにどんどん登ります。 この辺りには松やオーク(こなら)の木が多く、松は27種類、オークは17種類あるそうです。 ラウルさんは、pino apache(ピノ・アパッチェ、アパッチ松)という松を教えてくれました。 大きくて、30cmほどの長さの葉をつける松です。 チワワ州には、タラウマラという先住民の人たちが住んでいるのですが、彼らはこの葉を使ってかごを編んだり、木彫りの人形を作ったりするそうです。 そんな話をしていると、タラウマラの家族が住む一軒の家を見つけました。 道の途中に一軒だけ、ぽつんと建っていました。 その目と鼻の先のところに、ラウルさんは車を止めました。 崖のくぼみに、小屋のようなものが。 何だろう?と思っていると、さっきの家から男の子が2人走ってきて、小屋の扉をあけました。 6畳ほどの広さの小屋の中には、手作りのかごや木彫りの人形が。 おみやげ屋さんのようです。 あの松の葉で編んだかごが、小さいものから大きいものまでたくさんあって、とてもかわいい。 小さいものを2つ買いました。 ここは、もともと住居だったそうです。 天井が黒くなっているのは、火を炊いた時のすすがついているからだそう。 中の写真も撮ったのですが、暗かったためうまく写りませんでした。 残念。 車は、さらにさらに登っていきます。 こんな、水の湧き出るところがありました。 乾季でも決して枯れることのない水。 水を含んだコケと、滴り落ちる滴を見て、土ぼこりばかりで乾いていた気持ちも潤いました。 水があるって、いいなあと思ったのです。 そこから15分ほど走ったところに、展望台がありました。 見下ろすと、真下にUrique(ウリケ)という町が見えます。 ウリケ川が流れています。 このウリケ川は、先日私が訪れたエル・フエルテのエル・フエルテ川に続いているそうです。 エル・フエルテ川は、農業の盛んなロス・モチスを潤す重要な川です。 ラウルさんは、「ウリケで雨が降れば、シナロアで水が飲めるんだよ。」と言っていました。 ウリケの日照りや、水質の変化は、シナロアの人にとっては他人事ではないのです。 そんなふうに、自然はつながってるんだなあ、と知ることが大事ですね。 ここの展望台でもタラウマラのおばさんがかごを売っていて、かわいかったのでまた、いくつか買いました。 それから、再びセロカウイ村に向かって戻りました。 また列車に乗って、Creel(クリール)という町を目指します。 #
by mangorico2
| 2006-04-18 07:52
| メキシコの旅
17日の日記は写真が多くて一つで収まりきらなかったので、こちらに分けました。
まだ鉄道編を読んでない人は、お先にそちらをどうぞ。 さて、Bahuichivo(バウイチボ)駅に着きました。 ここは小さな村で、ホテルはないそうです。 そこで、ここから車で40分くらい走った、cerocahui(セロカウイ)という村まで行きます。 バウイチボ駅で降りた多くの人が、セロカウイなど近郊の村まで行くようです。 乗り合いバス(普通のバン)を見つけて乗り込んだ私に、一人のおじさんが近寄ってきました。 「俺はホテルをやってるんだけど、うちに泊まりにこないか?それなら、ホテルまでのバス代は取らないから」 値段を聞くと、一泊300ペソと悪くない料金でした。 どんなホテルか分からないけど、セロカウイは小さな村でホテルも少ないようなので、このおじさんについていくことにしました。 セロカウイには、アメリカ人観光客が多く泊まる良いホテルもあるのですが、そこは高そうだったのでやめました。 おじさんの車は土ぼこりだらけで、お世辞にもきれいとは言えません。 しかし、その原因は舗装されていない、乾燥した道路。 対向車をやり過ごすたびに、大量の土ぼこりが舞い上がります。 後ろを振り返ると、この車もまた土ぼこりを上げています。 これじゃ、洗っても洗っても、だなあ。 また道中、おじさんの娘さんの車とすれ違いました。 他の村に洗濯をしに行くようです。 曰く、 「セロカウイには水がほとんどないんだ。特に今みたいな乾季の時には全く雨が降らないからね。こうして洗濯はよそでやっているんだよ。あ、心配しないで。ちゃんとお客さんがシャワーを浴びるための水はあるからね。でも、使う時以外は元栓を閉めているから、使いたい時は声をかけておくれ。」 私は今まで、水がないという状況を体験したことがありません。 その時はへー・・というくらいに聞いていたのですが、水がないって大変です。 水道の元栓を閉めているので、トイレの後、手が洗えない。 かろうじてトイレの水はタンクにたまってある分で流せました。 歯を磨く時も、炭酸飲料で口をゆすいで、最後にミネラルウォーターで洗い流しました。 (ミネラルウォーターが少ししか残ってなかったので) 私が「水がないって大変」なんていうのは、本当の意味では大変ではないと思いますが、それでも水のありがたみを感じました。 セロカウイは農村のようで、畑や牛を放牧しているのを見かけました。 しかし今は乾季で、土地は乾いています。 ホテルからセントロまでは徒歩で15分ほど。 上のような景色を眼下に見ながら、くねくね道を歩きます。 車が通るたび、例の土ぼこり。 ひえーほこりだらけになる!! ・・・なりました。 これは町の教会です。 どこかの家の鶏が迷い込んだのか、中をウロウロしていました。 セントロには、教会と小さな広場、アメリカ人観光客でいっぱいのホテルが一つと、数件の食料雑貨店があるだけでした。 レストランがあれば何か食べようと思っていたのですが、残念ながらありませんでした。 本当に小さな、田舎の村です。 セントロには、チワワ州に住むタラウマラという先住民の子供たちの学校がありました。 私が訪れた時は休暇中で、そこで子供たちの姿は見かけませんでした。 今まで「田舎暮らしっていいな~」なんて言っていたけど、ほんとの田舎ってこういうものなのかなあ。 ケイタイの電波は入らず、電話をかけたいと思っても公衆電話がない。 たくさんの不便とともに、厳しい環境で暮らすのが、田舎暮らしでしょうか。 #
by mangorico2
| 2006-04-17 15:46
| メキシコの旅
出発 El Fuerte(エル・フエルテ) →到着 Bahuichivo(バウイチボ)
いよいよ、チワワ鉄道の旅が始まります。 エル・フエルテ駅に朝の9時半に到着。 朝ごはんをとる時間がなく、駅の周りや中に何かあるだろうと思っていると、見事に何もない! 駅という建物は、小さな待合室のみ。 駅の周りを見回すと、一軒の食料雑貨店を発見。 中にはおじいさんがひとり。 薄暗い店内に、ホコリをかぶった商品が少し。 ちょっとひるんだけど、お腹がすいていたので、大手メーカーのクッキーと缶ジュースを購入。 駅に戻って、電車を待ちます。 私と同じように電車を待つ人が30人ほど。 誰も、何時に電車が来るのか知りません。 だいたい10時頃だそうで、みんなひたすら待ちます。 私も待ちます。 外には、電車の行程を示す看板。 山の中を越えながら、チワワを目指します。 ↓これは、各駅の高低をあらわした物。 高いところで約2400kmです。 崖の上を走ったりするのかな?危なくないかな?とちょっと心配。 そうこうしていると、電車がやって来ました。 車掌さんの指示にしたがって、客車に乗り込んでいきます。 客席はこんな感じ。 車掌さんの衣装が時代がかっていて素敵です。 電車の中で、切符を買います。 電車には一等車とニ等車があって、私が乗ったのは二等車です。 一等車はシートがもっと快適で、食堂車があり、小さな駅には止まらないので、各駅に早く到着します。 しかし、値段は2等の倍です。 窓からは、こんな切り立った山の風景が見られます。 客車の窓は開かず、みんなデッキに出て、写真を撮ったりビデオを回したりしていました。 そんなこんなで2時半頃、目的地のバウイチボ駅に着きました。 *つづく* <地球の歩き方情報> チワワ鉄道はシナロア州のロスモチスを出発して、チワワ州のチワワまで行きます。 電車は上りと下りが1日に2本ずつ。(一等と二等) 一等は朝の6時に出発し、終点に着くのは夜の10時25分。 二等は朝の7時出発で、到着は深夜1時30分です。 料金は、チワワまで行った場合一等が1319ペソ(約1万3190円)、二等が660ペソ(約6600円)です。 1日乗り続けて終点まで行こうとすると、18時間30分の超・長旅!!! #
by mangorico2
| 2006-04-17 15:11
| メキシコの旅
ロス・モチス→El Fuerte(エル・フエルテ)
エル・フエルテという町にやってきました。 ロス・モチスからバスで2時間ほど走ったところにあります。 この町をチワワ鉄道が通っていて、駅があります。 ロス・モチスが出発駅ですが、朝6時発と7時発しかなくて早いので、私はこのエル・フエルテから列車に乗ることにしました。 同じようにここから列車に乗る人もいるようで、外国人観光客向けのおしゃれなホテルが2つありました。 ↓展望台から見た町のようす 展望台、と書きましたが、昔は町を守る見張り台だったそうです。 El Fuerte de Monte Carlos(エル・フエルテ・デ・モンテ・カルロス)という名前の見張り台の名前から、このエル・フエルテという名前がつけられました。 ↓町の紋章(マーク)です。見張り台が描かれています。 ここからは、ゆったりと流れるフエルテ川を眺めることができます。 このフエルテ川はロス・モチスへと続き、畑を潤します。 シナロア州全体がそうですが、ロス・モチスは農業が盛んです。 ロス・モチスの丘に登った時も、広く続く畑を目にしました。 主要な作物は・・聞いたのに忘れました(^^;) ロス・モチスの野球チームはcañeros(カニェロス)といって、『さとうきび農園で働く人』を意味しますので、さとうの生産はさかんだと思います。 (野球のチーム名について、昔ブログに書いたので、他のチームも気になる人はコチラ) 豊かな水量の川、生い茂る緑を見て、嬉しくなりました。 展望台には小さな博物館もあって、エル・フエルテの歴史や文化を紹介していました。 この辺りには、yaqui(ヤキ)、mayo(マヨ)、yoreme(ヨレメ)という3つの先住民グループがあるそうです。 ↓それぞれの伝統的な踊りを紹介。左から、ヨレメ、マヨ、ヤキ。 ヨレメは、↓のような、動物の皮を使った仮面をかぶって踊ります。 マヨは↓な仮面を正面にかぶらず(顔を隠さず)、頭の横や後ろにつけて踊るそうです。 ヤキは、メキシコシティの民族舞踊のショーでも踊られる『鹿の踊り』で有名です。 頭に鹿の頭をつけて、雄の鹿が飛び回るようすから狩られるまでを表します。 この先住民の文化について知りたかったのですが、あまり詳しい説明はありませんでした。 メキシコの文化というと、中央高原やユカタン半島が中心で、メキシコ北部は割りと『何もなかった』かのように切り捨てられるのですが、きっとそんなことはないハズ! もっとみんな調べよう!関心を持とう! 注:メキシコ人に向かって叫んでます それとも、私が調べればよいのか?! そんなこんなで旅は続きます。 #
by mangorico2
| 2006-04-16 10:32
| メキシコの旅
春休みを利用して旅に出ました。
1日目 クリアカン→Los Mochis(ロス・モチス) ロス・モチスは、クリアカンからバスで3時間走ったところにある町です。 ここは、チワワ太平洋鉄道の起点になっています。 これから乗るチワワ鉄道は、ここロスモチスを朝の6時(一等列車)と7時(2等列車)に出発します。 早い!! ということで列車には、ロス・モチスの先にあるEl Fuerte(エル・フエルテ)という町から乗ることにしました。 ロス・モチスには友達が住んでいます。 バスターミナルに着くと、友達のJaviel(ハビエル)とDamina(ダミナ)とそのだんなさんが待っていてくれました。 なんと、今日はダミナの家に泊めてもらえるとのこと! やった! ハビエルとダミナと、それからハビエルの友人のPablo(パブロ)ともに、テレビ塔のある丘に登りました。 ↓こんな塔がたくさん立つ丘 30分くらいかけて、頂上まで歩きました。 帰る頃には、すっかり夕暮れ時。 夕食は、ダミナの家の近くの和食レストランへ。 ここには、sushiだけじゃなくて、中華料理やタイ料理もありました。 幅広すぎるぞ!和食レストラン! ↓おはしの使い方を教えるハビエルと、教わるダミナ ハビエルは去年から日本語を習っていて、日本の文化や和食が大好きです。 (ちなみにハビエルの日本語の先生は、クリアカン在住の日本人Iさん) 日本のアニメをきっかけに興味を持ち始めたハビエルは、大学のレポートで日本についてとりあげたり、和食を自分で作ったり、インターネット上のハンドルネーム(あだ名みたいなもの)を『死神』とつけたり、日本にハマっています。 一緒に丘に登ったパブロも、Monterrey(モンテレイ)という町で7年も日本語を習っていて、日本が大好き。 日本っていいよね~と言ってもらえて、とても嬉しいです。 私が彼らに、「日本ではお米はとても大切で、一粒でも残したら怒られる」と教えると、きちんと、一粒残らず食べてくれました。 一粒ずつお米をつまみあげるのは、かなり大変そうでした。 #
by mangorico2
| 2006-04-15 21:52
| メキシコの旅
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